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第1話 発端
第2話 風見
第3話 アダム
第4話 復活
第5話 神の審判
第6話 終焉









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(c)新藤悟 2005 - All Rights Reserved






Wオリジナルストーリー 後編





特務機関ネルフ 総司令室


向かい合う 親子
しかし 互いの間に流れている空気は 決して穏やかなものではなかった・・・

「僕は・・・エヴァには乗りません」
「一応理由を聞こう」
「あれは 人の作るべきものではない ましてや 人を救うなんて! 人が神になれるとでもおもってるのかよ!」

表情一つ変えないゲンドウ

「父さん 父さんは間違ってるんだ!」
「言いたいことはそれだけか」

余分な感情を入れず ただ一言 ゲンドウはそう言った

「父さんッ!」
「いくら詭弁を並べたところで 事実は変わらない お前はエヴァのパイロット それだけだ」
「だから乗らないって言ってるでしょう!」
「お前の言い分など知らないと言ってるんだ これは決まったことだ 駄々をこねるのをやめろ」
「・・・・ちくしょう」
「大人になれ シンジ」



一方 翔太郎とフィリップはシンジを救出すべく ネルフ本部へと向かっていた

「おいフィリップ 本当にこっちで合ってんだろうな?」
『ああ 大丈夫だよ翔太郎 だが僕たちが向かっているのは敵の本拠地 どんな罠が仕掛けられてるか分からない』
「ああ わーってるって」

そして二人の目の前に 巨大な建物が現れる

『翔太郎 そこだ そこがネルフだよ』
「へぇ 意外とデカイな」

バァン
突如響き渡る銃声 銃弾が二人の足元に突き刺さる

「おっと 早速お出迎えか」

正面から 銃を持った白衣の女性が歩いてくる

「あなた達ね ネルフの計画を止めようとしてるのは」
「ああ 街を泣かせるような事をする奴らを 見過ごしておけないんでね シンジはどこだ」

女性は鼻で笑う

「教えてあげてもいいけど どうせ無駄よ? だってあなた達はここで私に倒されるから
自己紹介しておきましょうか 私は赤木リツコ ネルフの・・・まあ研究員ってとこね」

そう言ってリツコは白衣のポケットからガイアメモリを取り出し 首に挿した

<シャムシエル>

リツコの体が怪物へと変わっていく ミサトのサキエルと違い 両手から異様に長い鞭が生えている

「今のうちに逃げるというなら見逃してあげるわ」
「だーれが逃げるって? フィリップ!」

<サイクロン!>
<ジョーカー>

二人は仮面ライダーWに変身しシャムシェルへと殴りかかる・・・が 鞭が楯代わりとなり 拳が鞭に弾かれてしまう

「厄介だな」
『翔太郎 メモリチェンジだ』

<ヒート!>
<トリガー!>

銃がWの手に現れる それにヒートの効果で銃弾に炎を纏う

「こいつを受け止めきれるかい」

放たれる 無数の銃弾
が その銃弾の全てをシャムシエルは弾いた

「あら この程度?」
「おいおい 冗談かよ」
『あの鞭がそこまで防御面に優れてるなんてね』
「分かった? 全てが無駄 飽きたわ ここでお終いにしてあげる」
『翔太朗 右だ!』
「うおっ!?」

シャムシエルの鞭が伸び 一瞬にしてWの右足に絡みつく
そしてそのまま持ち上げられ 振り回される

「うおおおおおお!?」

その途中でビルや車などの障害物に当たり 最後に投げ飛ばされる
そしてビルの壁に当たり そのまま倒れるW

「その程度? よくそんな力でネルフに挑もうとしたわねぇ」
「く・・・フィリップ 無事か?」
『翔太朗 このままじゃ本当にやられる 何か対策を』
「馬鹿 言われなくても・・・わーってる!」
「ホホホ 今度こそ さよならね」

鞭が再び振り上げられる

『翔太朗ッ!』

と その時

<タ・ト・バ タトバ タ・ト・バ>

Wの目の前に 仮面ライダーのような人影が現れ 剣のようなもので鞭を弾き返した

「な 何なの!?」

突然の乱入に驚くシャムシエル

「あ あんたは確か」
『火野 映司 仮面ライダーOOO(オーズ)だね』
「ここから先は 俺が相手する 行くべきところがあるんだろう?」
「また助けられちまったな 悪い 任せるぜ」

バイクにまたがり ネルフ本部へと向かうW

「行かせない!」

Wの方へ鞭を伸ばすシャムシエル が またもやオーズによって阻まれる

「遠慮はしないよ!」
<タカ・カマキリ・バッタ!>

オーズの腕がカマキリの鎌状に変化する

「そんなものでこの私を倒せるものか!」

シャムシエル オーズに向かって鞭を伸ばすも
その鎌によって鞭が切り刻まれる

「ぎゃああああああああああ!!」

鞭が消えたことで防御する手段が泣くなり 核がむき出しになる

「そこか! セイヤアアア!!」

その核を横一線に切る 核は割れ 変身が解け メモリが真っ二つに折れる

「・・・止めを刺しなさい」
「断るよ そういうのは俺の主義じゃない」
「甘いわね 長生きできないわよ?」
「だろうね でも それが人を救う力になるかもね」
「ハハッ 笑わせるわ! まあいいわ どうせ もうじき世界は姿を変え 新たなステージへと移る
 何をしたって無駄 アハハハハハハハ!」



ネルフ 第7ケイジ

「降ろせ! 降ろせよ!」

エントリープラグの中で暴れるシンジ

「L.C.L.圧縮濃度を限界まで上げろ 子供の駄々に付き合ってる暇はない」
「了解」
「がっ・・・あぐっ・・・父・・・さん」

苦しむシンジ が その姿を目の当たりにしてもゲンドウは眉一つ動かさない

「EVA初号機の機動準備に入れ」
「了解」
「もうすぐだ・・・ユイ もうすぐ 私もお前と・・・」

ゲンドウは口元にかすかに笑みを浮かべる
プルルルルルルル

「私だ」

<ネ ネルフ本部に し 侵入者! うわああああああああ!! ザー>
「侵入者・・・?」

バアアアアアアアアアアアン
突如 第7ケイジの入り口の扉が吹き飛ばされる

「おっ アンタが総司令さんとやらかい」
『間違いない この人がネルフ総司令 碇ゲンドウだ』
「何者だ」
「仮面ライダーW この街を守る・・・探偵さ
 さて シンジを返してもらおうか 親父さん?」
「シンジは渡さん 全ては補完計画のために!」
「一つ聞かせてもらおうか アンタ 何が目的だ」
「全ての人類の意思を一つにし 永遠に生き続ける 現在も未来も過去も 生者も死人も関係なく 同じ「イノチ」の中に存在し続ける「セカイ」
 ・・・これを創り出す事 それが私の狙いだ」
『つまり 全ての人類が一つになり 同じ意思として生き続ける・・・確かにそうなれば戦争などの争いも起こらないね 納得だ』
「おい 納得してんじゃねえ」
『筋書きだけは納得できる けど それは人間にできる事じゃない』
「当然 だから神に等しい存在であるEVAを使う あの初号機は特別でな 神と同じ力が引き出せる そう! 私は新世界を・・・!」

バキィ
ゲンドウの頬を殴るW

「黙りな」
『愚かな人間だ 貴方は』
「やはり この計画の素晴らしさが分からないようだな」

ゲンドウは立ち上がり 懐からメモリを取り出す

<ゼルエル!>

ゲンドウは姿を変え 力の天使を模した姿へと変貌する

「己の愚かさを身を以って知れ」
「それはこっちの台詞だ 碇ゲンドウ
 さあ お前の罪を・・・数えろ!」

ゼルエルの目が光る
Wの目の前で爆発が起こる
が Wは寸前で回避

「ヘッ 前に戦ったやつとおな・・・」

バシン
ゼルエルの腕が帯のように伸び Wの顔面をはたく
衝撃でWは壁に叩きつけられる

「おいしいとこ取りかよ」
『いや 過去の敵と似てるけど やはり違う あの帯の本来の用途は・・・翔太朗!』

何かを感じ 高くジャンプするW 

シュッ
風の切れる音

『翔太朗 あれは カッターだ 気をつけて 少し触れただけでも無事では・・・また来る!』

シュッ!
前に飛び込むW 後ろの壁に 帯の一部が突き刺さる

「面倒だな フィリップ メモリ変えるぞ」
『OK』

<ヒート!>
<メタル!>

「何をしようが 結果は変わらん」

ゼルエルの帯がメタルシャフトを捕らえ そのまま二つに折った

「おいおい・・・しゃあねえ! フィリップ!」

<エクストリーム!>

Wの中の二人の意識が一つになり Wは最強の姿 サイクロンジョーカーエクストリームへと姿を変える

「さあ こっからが勝負だ」
『けど油断は禁物だ』
「どのような姿に変わろうと 無駄な足掻きだ」
「そいつはどうかな」
<プリズム!>

Wプリズムビッカーより プリズムソードを引き抜き ゼルエルの核に狙いをつけ 走り出す

「無駄だ」

ゼルエル 帯で天井を破壊 破片がWを襲う
瓦礫が落下する衝撃が辺りに広がる

バァン
瓦礫が吹き飛ぶ音

「そんなんじゃWは倒せないぜ?」

瓦礫の中からWが飛び立つ

「そこか」

ゼルエルの帯がWを捕らえる

<ルナ>

「ククク じっくり逝かせてやろう」

もう一本の帯がWの正面にゆらゆらと狙いをつける

<ジョーカー!>
<ヒート!>
<サイクロン!>
「終わりだ 仮面ライダー!」

ビュン

『今だ!」
<サイクロン! マキシマムドライブ!>
<ジョーカー! マキシマムドライブ!>
<ルナ! マキシマムドライブ!>
<ヒート マキシマムドライブ!>
「ビッカー チャージブレイク!」

プリズムビッカーより放たれる七色の光線が ゼルエルの帯を粉々に粉砕する

「何・・・」
「このまま決める!」
『行こう 翔太郎!』
<プリズム! マキシマムドライブ!>

プリズムソードにエクストリームのエネルギーが注がれ 緑色に発光する

「プリズムブレイク!」

ゼルエルの核目がけて 斬撃を繰り出す
その瞬間
ゼルエルの目が光った

『しまった!』

爆発
爆発の衝撃で地上に落ちるW

「勝ちを確信し 油断したな」

よろよろと立ち上がるW

「フィリップ 無事か?」
『最後の最後で 油断したね 僕の計算ミスだ』
「そのままそこで・・・静かに逝け」

と ゼルエルが攻撃の態勢に入ったその時

「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

後ろで謎の咆哮が

「!」

思わず攻撃を止め 振り返るゼルエル
そこには目が白く光り 咆哮するEVA初号機の姿が

「目覚めたな・・・ユイ」
「お おい 何だありゃあ あれってロボットか何かじゃなかったのかよ」
『いや あれは 神を模した存在 人類が扱えるものじゃない 止めないと!』
「止めるって おい フィリップ!」
『核だ 完全に覚醒が終わるまでに核を破壊するんだ!』
「ったく簡単に行くかねぇ」

<プリズム!>

再びプリズムソードに力を宿し 目標をEVAに切り替えて斬りかかるW
が そのWの目の前でゼルエルによる爆発攻撃が起こる

「先には行かせん このままEVAを覚醒させる」
「しぶといねぇ アンタも」
『翔太朗 時間がない メモリブレイクを急ぐんだ』
「わーってるって! いくぜ! 親玉さんよぉ!」

W ゼルエルに向かって高く舞い上がるように飛んだ
ゼルエルは爆発を起こすものの当たることなく距離を詰められる

「く・・・」
「さあ メモリブレイクだ」

<ルナ!>
<ジョーカー!>
<ヒート!>
<サイクロン!>
<マキシマムドライブ!>

「距離を詰めたところで!」

ゼルエルの帯が迫る

『計算通り』

Wの目の前に巨大な楯が現れ 帯を弾き返した
その衝撃で大きくよろけるゼルエル

「残念だったな 最後の賭けは 俺達の勝ちだ」

楯を投げ捨て ゼルエルの核にプリズムソードを突き刺す

「あああ・・・ば 馬鹿な 私の・・・補完・・・計画が・・・」

メモリが割れ 変身が解け 地面へ落下していくゲンドウ
ガッ
W ゲンドウの片腕を掴み そのまま抱きかかえる形でゲンドウを地上に降ろす

「何故だ 私を助けたところで もう世界は終わる お前たちの負けだ」
「さぁてね そいつはどうかな」
「ウオオオオオオオオオオオオオ!」

咆哮をあげるエヴァ 

「おいおいシンジ これには乗らなかったんじゃなかったのかよ」
『いや 翔太郎 恐らく彼は意識を失ってる コレを動かしてるのは エヴァの本能だ』
「ウオオオオオオオオオオオ!」

エヴァの拳が強く握られ Wに振り下ろされる

『翔太朗!』
「うおっ」

バアアアアアアアアアアアアン
ケイジの一部が粉々に砕け散る

「おいおい シャレになんねーな」
「ウオオオオオオオオオオオ!!」

ガシャアアアアアアアアアアアアアン

エヴァが攻撃を繰り出すごとに壊れていくケイジ
その砕けた破片がWに降りそそぎ またWもそれを避けつつ攻撃するものの
A・Tフィールドによって打ち消されてしまい まともに攻撃が当たらない

「厄介なもんだ」
『何なんだ あのバリアみたいなものは・・・』
「無駄だ 足掻くのはよせ」
「悪いねぇ 諦めが悪いもんでね」

しかし少なくなった足場に移動場所を制限され 徐々に追い詰められていく

「ウオオオオオオオオオオオ」
『翔太朗 来るよ!』
「どこに避けりゃいーんだよ!」

ガシッ
ついに体を捕らえられるW そしてエヴァの手に握りつぶされていく

「ぐ・・・シンジ! これがアンタの望んでいる事なのかよ おい!」
「グオオオオ・・・」
『しょ・・・しょうた・・・・くっ』
「シンジ! おい 生きてるなら返事しろ!」






ここは どこだ

まっくらで 何も見えない

そうか これが僕の歩いてきた道か

なんて暗い人生なんだ

「シンちゃん」

闇の中に 一筋の光が当たる そして そこには人がいた
母さんだ 母さんの事なんて僕はほとんど覚えてないのに
そんな僕に 母さんは優しい笑顔をくれた

「シンちゃん 辛かったでしょう? もう苦しまなくていいの
 さあ こっちにおいで 全てを忘れて ここで永遠に穏やかな時を過ごしましょう」

穏やかな・・・時
その言葉に 僕は思わず 母さんの方に歩み寄った
一歩
また一歩
母さんに近づいてゆく
けど なぜだろう
さっきから 涙が止まらない
人生も 世界も 
どうでもいいはずなのに
何か大切なものを無くしそうな気がして
前には 進めなかった

「母さん ごめん」

そして僕は母さんに背中を向け 歩き出す
が 母さんは怒ることも悲しむことも無く こう言った

「それがあなたの選択なのね シンちゃん 強くなったわね」

そして僕の目の前に新たな光が広がり・・・
・・・
・・・




「ウオオオオオオオ・・・・」

エヴァの目から光が消え 操り人形の糸が切れたかのように 活動を停止した

「馬鹿な どういう事だユイ! お前は 一つになることを望まないのか・・・!」

その場にへたり込むゲンドウ

『活動を停止した? 今のうちに核を破壊しよう!』

W エヴァの核にプリズムソードを突き刺し 破壊した

『翔太朗 エントリープラグを探そう そこにシンジ君がいるはずだ』
「エントリープラグだぁ? ったく最近のメカはよく分からんな」
『碇ゲンドウ あなたの負けです さあ エヴァからプラグを射出するよう命令してください』
「・・・・」

ゲンドウは俯き 何も答えない

「おい! 往生際が悪いぜ」

ゲンドウは携帯を取り出し エントリープラグの射出を命令すると 再び俯いた

バシュン!
シュウウウウ

エヴァからエントリープラグが射出され 地上へと降ろされる

「シンジ!」

プラグの中には 気を失ってるシンジの姿があった

「おい シンジ 目を覚ませ」
「う・・・うーん」

シンジがゆっくりと目を開ける

「翔太朗・・・さん?」
「シンジ 大丈夫か?」
「迷惑をかけてすみません 僕のせいです」
「気にするな もう終わったことだ」

シンジは立ち上がり ゲンドウの方へと歩み寄る

「父さん・・・」
「・・・好きにするがいい ユイが納得したのなら 私はもう何も言わん」
「父さん あの・・・さ」
「何だ 話はそれだけだ さっさと・・・」
「父さん 昔みたいにまた一緒に暮らそう?」
「何?」

ゲンドウは思わず顔を上げる
シンジの後ろに うっすらと人影が見えた

「ユイ・・・」
「あなた 私の人生は充実していたわ 何も後悔はしてないし 恨んでもいない だから もう自分を責め続けるのは終わりにして?
 昔の 私が愛していたあなたに戻って? それだけが・・・私の・・・」

そう言うと 影は消えた

「ユイ・・・私は お前に・・・」

ゲンドウはその場に泣き崩れた

「やれやれ 一件落着か 帰るぞ フィリップ」
『エヴァか・・・興味はあったんだけどね』
「あの! 翔太朗さん! フィリップさん!」

後ろからシンジの声
二人は足を止める

「ありがとうございました!」

翔太朗は振り向かず 手だけを振って答えた




翌日
鳴海探偵事務所

『翔太朗 どうやらネルフは解散したらしい シンブンに書いてあったよ』
「そうか それはそれで良かったんだろう」
『シンブンは凄いねぇ 紙の媒体にここまでの情報を詰め込むなんて 一体どういう仕組みなんだろう 考えただけでもゾクゾクするねぇ』
「まーた始まったか」

一人ハイテンションなフィリップを放って 翔太郎は一人 窓から見える景色を眺めていた

「シンジ・・・頑張れよ」



第壱中学校
「なんや 最近明るくなってきたんとちゃう?」
「そうだねぇ 陰気なイメージが無くなったね 良いことでもあった?」
「まぁね」

友人に囲まれ 笑うシンジ
それを遠くから見守る少年がひとり・・・

「どうやら この「セカイ」での君は幸せを得たみたいだね できれば 全ての可能性世界の君が幸せになることを願うよ
・・・碇シンジ君」









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