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どれくらい時が経ったのだろうか・・・・


春から初夏にかけての心地よい、暖かな光が降り注ぐ中でシンジは隣に座り、頭を自分の肩に乗せている女の子に視線を向ける。


この子は彼の恋人だろうか、それとも兄妹か・・・


彼らの前を通り過ぎて行く人たちが二人の座るベンチへと目を見遣ると、皆、微笑みを浮かべて歩みを進めていく。


一人で落ち込み、下を向いて歩いていた男性も、

先ほどまで口げんかをしていた若いカップル達も、

忙しそうに小走りをしていたサラリーマンも


皆、彼ら二人を見て笑顔を知らずのうちに浮かべていた。








めぐる季節の中で









あれからどれくらいの季節が経ったのかなぁ・・・


シンジは目を閉じ、心の中であの時の事を思い浮かべた。




気が付けばシンジは紅い海のほとりにいた。


アスカの首を絞め、泣き崩れた後再び意識を失った。


そして次に目覚めたときには空にはおぼろげながら蒼が戻り、人々も皆、もとの生活へと戻っていた。


サードインパクトが起きたことは皆知っていたが、

あの瞬間―――全生命が一つに溶け合ったことを覚えている人はいなかった。シンジ以外は。


そのかわり、死んだはずのミサトやリツコたちがいた。


理由は誰も分からない。ミサトたちも何故自分が生きているのか分かっていないようだった。


気が付いたときにはみんな倒れていて、その後は何が起こったのかすぐに掴めず、一時的にパニックに陥った。


みなサードインパクトの瞬間は目撃していて、戦略自衛隊も目を覚ましたあとすぐに軍をまとめて撤退していった。


異常事態に誰もが混乱の極みにあった。


ようやく状況が落ち着いた頃、現状の把握にミサトたちはあちこちを駆けずり回った。


まず行方不明者の把握。するとすぐにシンジ、アスカ、ゲンドウ、冬月がいないことに気が付いた。


他にも多数の行方不明者がいた。世界中で数億人に上るようだ、と判明するのはもっと後のことだが。


付近を捜索したところ、すぐにシンジとアスカが衰弱した状態で発見された。


だが、ゲンドウや冬月の姿を発見することは出来なかった。


病院で意識を取り戻したシンジはミサトの説明をボーっとした状態で聞いていたが、シンジには何故二人がいないのかすぐに分かった。


自然とシンジの顔に笑みが浮かぶ。


気まずそうにミサトは話していたが、そんなシンジの様子にいぶかしげな視線を向ける。


視線に気付いたシンジが慌てて手を振って、口を開いた。


「お二人が行った場所はなんとなく分かりますから・・・」


気にしないでいいですよ。きっと二人とも幸せでしょうから。


そういうとにっこりと笑顔をミサトに向けた。




他に知り合いでいなくなった人はいないか一通り確認すると、再びベッドに横になる。


あの子の姿も無かった。





・・・・・・





あの子?


あの子って、だれだっけ?


みんないるはずなのに誰か欠けている。


そんな感覚が離れない。


みんなに聞いてみた。前は他に誰かいなかった?


だが誰も分からない、気にしない。


アスカもミサトもリツコも、トウジもケンスケもヒカリもいる。オペレーターのマコトやマヤ、シゲルもいる。


だが何かが欠けている。


心に大きな穴が開いたように、寂しさが、空しさが止まらない。


サードインパクトの後戻ってこなかった人?


違う、父さんや冬月さんは覚えてる。


だれ?


だれ?


だれ?


分からない、分からない、分からない・・・






そうして数日が過ぎていったんだ。


ボクもアスカも回復し、一緒に退院した。まだアスカはあちこち包帯を巻いていたけど。


病院からの帰り道、ミサトさんはまだ後始末で忙しいようだったからアスカと二人で帰っていた。


アスカは前と変わった。以前よりずっと物腰が柔らかくなった。


ボクがそういうと、前と同じように言った。


「変わってないのはアンタだけよ、馬鹿シンジ。」


そういうところだけは変わってないなぁ、と苦笑し、アスカとのおしゃべりを楽しんでいた。


だけど、心の中の疑問は晴れない。


穴は少し埋まったのかもしれない。


だけど寂しさは、どこか悲しい気持ちは埋まらなかった。







ふと見上げた空が元の蒼に戻っていた。




希望なのよ・・・





ボクははじけたように走り出した。


どうして忘れていたんだろう


いつもボクを見ていてくれた彼女の事を。


病院で目覚めるといつもそばにいてくれたあの子の事を


見上げた空の色のように、蒼い髪を持った彼女




綾波レイの事を





どれくらい走ったのか分からなかった。


どこを走っているのかも分からなかった。


それはそうだ。ボクには綾波がどこにいるなんて知らないんだから。


けれど足を止める気にはならなかった。止めてしまうと綾波への罪悪感で押しつぶされてしまいそうだったから。


気が付いたら見覚えのある場所へ来ていた。


最初に目を覚ましたあの場所。沖のほうに見えた巨大な綾波は・・・・・・すでに無かった。


全身から力が抜け、砂浜に倒れこむようにボクは寝転んだ。


まだ海は少し紅い。その紅が記憶の中の綾波を鮮明に浮かび上がらせる。


視界がにじんだ。


最初は何故視界が揺れているのか分からなかった。

しばらくして何かが耳をぬらして初めて自分が泣いていることに気付いた。


何故ボクは泣いているんだろう。


どうして涙が止まらない?


何が悲しいのだろう?


綾波の事を忘れていたこと?その罪悪感が胸を締め付けているのか?




違う。ボクは悟ってしまったのだ。綾波がもういないことを。


いつしか空は赤に染まろうとしていた。


気が付くと、アスカが隣に座ってた。


お互い無言のまま時がすぎる。


もう空は深い藍に変わり始めていた。










辺りが暗闇に包まれ始めたときアスカが口を開いた。


「・・・どこかにいるわよ、きっと。」


「アスカ・・・。」


「みんな忘れているけど、ううん、私も忘れていた。さっきの様子だとアンタも忘れてたんでしょ?」


黙ってボクはうなづいた。


「何で忘れちゃってたんだろ?あいつの、ファーストのおかげで今私はここにいるのに。」


ボクは驚いた。あのアスカが綾波の事をそんな風に言うのを初めて聞いた。


「アスカは・・・その、覚えてるの?みんなが一つになってたときの事を。」


ゆっくり小さくうなづき、苦笑して答える。


「まあね。でも曖昧な記憶しかないわ。アンタは全部覚えてるの?」


「ボクも全部ってわけじゃないよ。」


アスカを見つめる。以前のボクなら出来なかっただろうな。そう考えるとボクも少しは成長したのかもしれない。


「だけど、大体のことは覚えてる。あの中は暖かかった・・・。

それこそ父さん達みたいに今でもあそこにいたら幸せだとは思う。

でも、違うと思ったんだ・・・。あの中には誰もいなかった。どんなに心地よくてもボクがいなかった。

みんながいなかった。だから・・・違うと思ったんだ・・・。」


胸のうちを自然と打ち明けることが出来た。


「・・・アスカはどうなの?」


「私はアンタほどはっきり覚えてるわけじゃないわ。

けど、あの時私はアンタと一つになってるっていうのが我慢ならなかったように思う。

ああ、勘違いしないでよ?今はそんなこと思ってやしないから。

でもアンタも見たでしょ?私の内を。アンタに見られたくなかった。

で、気が付いたら砂浜に寝てて、アンタに首を絞められた。」


ここまで言って、一息ついてまたアスカは話し始めた。


「その時ね。たぶんアンタの胸のうちが流れ込んできたの。

はっきりとじゃないわよ。でもなんとなくアンタだってわかったわ。




アンタと私は結構似てたのね・・・。外罰的か内罰的かの違いだけで。」


アスカはそこまで話すと黙り込んでしまった。


ボクにとってはアスカの様子に驚きっぱなしだった。


以前のアスカは絶対に自分の事を話さなかったから。


そんなボクの様子が伝わったのだろうか、アスカが再び話し始めた。


「自分でも驚いてるわ。こんなに素直に話すことって無かったもの。

でも戻ってきてからずっと気持ちが落ち着いてるの。」




「これもファースト・・・レイのおかげかもね。」


「・・・そうだね。」


二人でまた海を眺め始めた。


すっかり暗闇に包まれていた。


「そろそろ帰ろっか?ミサトさんが心配してるよ。」


「そうね。」


そして二人とも立ち上がったときだった。


なんとなく人の気配を感じて振り返った。


すると・・・ほんのわずかだった。辺りに街灯とかは当然無くって、わずかに月明かりがある程度だったけど、蒼い髪が見えた気がした。


「え、ち、ちょっと!」


気が付けばまたボクは走り出していた。


アスカの制止も振り切って人影があった辺りへ一気に駆け寄った。


「綾波ぃ!!」


逃げ切れなかった影はボクの声にびくっとなって立ち止まった。


息を整えながら、ゆっくりと近づいた。


「ハア、ハア、ハア・・・。綾波・・・。」


「・・・違うわ。」


蒼い髪の少女は後ろを向いたまま短い返事を返した。


「どうして・・・そんなこと言うんだよ。」


「事実だもの。」


「そんな!どう見たって綾波じゃないか!」


ボクは声を荒げて叫んだ。


「違うわ。私はリリス。」


「りり・・・す・・・?」


「貴方の知っている綾波レイはもう存在しないわ。」


「そんな・・・」


がっくりと膝をついた。


アスカがゆっくりと近づいてきた。


「レイ。」


「違うわ。」


「ふん、そんな短い言葉しゃべる奴なんてレイ以外にいないわ。」


「この体の元は綾波レイよ。仕草が似て当然だわ。」


「じゃあ百歩譲ってリリスでもいいわ。でもアンタの中に綾波レイという人間は残ってるはずよ。

ううん、違うわね。アンタは綾波レイそのものよ。」


自信満々にアスカが言い放った。


ボクはまた綾波を見る。


「・・・」


綾波は無言のまま何もしゃべらない。


「アンタがここにいるのが何よりの証拠よ。

アンタずっとシンジを見守っていたんでしょ?」


その言葉にボクは目を見開いた。


綾波も動揺してるのが分かった。


「アンタもやっぱりバカシンジのままね。




よく考えてみなさいよ。

レイはアンタのことが好き。だけどアンタに秘密を知られてしまって、その上サードインパクトまで起こしてしまった。

そしたらレイがどんな行動をとるかぐらいバカシンジでも分かるでしょ?」


アスカにそう言われて初めて分かった。


綾波の気持ちも考えずにずっと逃げてて・・・。


・・・やっぱりボクはバカシンジだ・・・。


悔しくて、情けなくて涙が出そうだった。


何とか堪えると、立ち上がって綾波の方へ向き直った。


「綾波・・・。」


「・・・」


綾波は無言で後ろを向いたままだった。


ボクはそっと後ろから綾波を抱きしめて


「ゴメン・・・。」


それだけ呟いて綾波を抱きしめ続けた。


ずっと沈黙を保ってた綾波がやっと口を開いてくれた。


「どうして謝るの・・・?」


だけどボクはその質問に答えず、ただ抱きしめ続けた。


今まで味あわせてしまった寂しさが少しでも紛れることを祈りながら。


いつの間にか綾波もボクを抱きしめてくれていた。














あの後ボクらは三人でミサトさんのマンションに帰った。


帰り道では誰一人としてしゃべらなかったけど、全然気にはならなかった。


玄関のドアを開けた途端にミサトさんが飛び出してきて、思いっきり怒られた。


そして「心配したんだから・・・。」と言うとボクとアスカを抱きしめてくれた。


だけど後ろにいた綾波を見ると尋ねてきた。


「その子は?」


アスカとお互いを見やって一言こう答えた。


「僕の・・・大切な人です。」





そしたらミサトさんは綾波も一緒に中へ招き入れてくれた。


どうやら僕とアスカ以外は誰も綾波の事を覚えていないらしい。


綾波には悪いけど、僕はそれでもいいと思った。


中に入った早々ミサトさんに


「シンちゃんもいきなり彼女連れてくるなんてやるわね〜。」


なんてからかわれたけど。




綾波にはもう住むところが無いからミサトさんに何とか一緒に住めないか頼んでみた。


さすがにこれにはミサトさんも驚いたようで、というか見ず知らずの他人を泊めるのには抵抗があったのだろう。


「う〜ん、一晩くらいならいいけど・・・。」


と言って、住むことにはなかなか首を縦に振ってくれなかった。


「だいいち、部屋がもう無いじゃない。」


確かにそうだ。アスカが来た時点ですでに部屋はいっぱいで、僕は元物置に移動したんだっけ。


だけどアスカが


「私と一緒の部屋でいいじゃない。」


と言ったときは驚いた。


なんだかアスカには驚かされぱなっしだ。


綾波もこのアスカの提案には驚いたようでびっくりしてる。


「アスカがそう言うんなら、いいわ。なんたってシンちゃんの大事な人だものね〜。」


自分で言っておきながらやっぱり恥ずかしい。


横を見ると綾波もうっすら頬を染めていた。


こうして僕らの家族が一人増えた。




それから一ヶ月くらい経った。


その間ミサトさんは忙しくてずっとネルフに篭りっきりだった。


どうも臨時の司令になったらしい。ゼーレは誰一人として戻ってきてないようだったけど、後始末が色々あるようだ。


僕らはまだ学校も再開されないし、訓練も無いからのんびり過ごしていた。


そしてその夜、久しぶりに帰ってきたミサトさんと一緒にみんなでテーブルを囲んだとき、ずっと考えていたことをみんなに打ち明けた。


「綾波と・・・このマンションを出て一緒に暮らそうと思います。」


みんな一斉に振り向いた。そりゃそうだろうな。


綾波とはすでに話し合ってて、どうするか聞いたら、


「碇君が決めたなら、構わないわ。」


と言ってくれたのでちょうどミサトさんもいたから話したんだ。


当然だけどミサトさんは難色を示した。


「どうしたの?ここで一緒に住むんじゃだめなの?」


「綾波と二人で暮らしたいんです。ミサトさんには申し訳ないんですけど・・・。

別にここが嫌だってわけじゃないんですよ。」


その後も色々と質問にあった。新居のこととか今後の生活費とか。


お金に関しては心配は無い。ネルフからもらってた給料はほとんど使ってないし、綾波の分も相当あったから。


でもやっぱりミサトさんはうん、と言ってくれなかった。


最大の理由は僕たちがまだ中学生だからだ。


それでも僕は粘り強くミサトさんを説得し続けた。少しでも綾波と失った時間を取り戻したかったから。


しばらく押し問答が続いてたけど、珍しくずっと黙ってたアスカが口を開いた。


「ミサト、私からもお願いするわ。こいつらの門出を祝ってやって。」


と言って頭を下げたのだ。僕も慌てて頭を下げる。


綾波も含めて三人に頭を下げられると、ミサトさんも観念したらしい。


「分かったわ。いいわ、認めるわ。その代わり月に一度はここに顔を見せにくること。いいわね?」





一週間後、僕とレイはミサトさんのところを出て、二人で暮らし始めた。


いくら貯金があると言ってもそればかりに頼るわけにはいかないので、近くの食堂でバイトを始めた。


僕は厨房で、レイはウエイトレスとして。


綾波は表情にまだ乏しかったから正直不安だったけど、ここ一ヶ月の間に笑うことも増えていたせいか、何とか無事に仕事をこなしているようだっ

た。


こうして僕らの新生活は始まった。


それから僕らはいつでも一緒だった。


一緒に起き、一緒に食べ、一緒に働き、一緒に寝る。


僕も、綾波も幸せだったと思う。


休みの日に二人で第二東京にある遊園地に行った。


綾波はどんなところかよく分からなかったようで、いろんな乗り物を見て目を丸くしていた。


一通り遊び、疲れたのでちょうどお昼時だし、レストランに入った。


そこで僕はずっと気になってた事を聞いてみた。


「レイが僕の望みを叶えてくれたんだね?」


レイは最初何のことか分からなかったみたいでキョトン、としていた。


その様子がとてもかわいくて、思わず笑みがこぼれた。


「・・・そう、シンジくんの望み、みんながいる世界を望んだ。永遠の安らぎでなく、他人がいる世界。」


「・・・ありがとう。」


僕は心から感謝した。本当はもっと色々言葉を並べたかったけど、そんなありきたりな言葉しか出てこなかった。


さらにどうやらみんなのATフィールドをほんの少しだけ弱くしたらしい。


レイは顔を曇らせた。


みんな穏やかに「今」を過ごしている。


他人が他人を思いやれる。当然人だから衝突も起きる。だけど、相手の気持ちがなんとなく分かるから激しくはならない。


そこまでしないと争いが無くならないのは少し残念だったけど、レイを責める気持ちなんか全く無かった。


「ありがとう。」


僕はもう一度同じ言葉をレイに告げた。


午後からも僕たちは遊び倒した。


綾波も思いっきりはしゃいでて、以前は見ることの無かった屈託の無いはじけるような笑顔で歩き回るレイにすっかり目が話せなくなっていた。





それから半年が経った頃だった。


「コホ、コホ。」


「レイ、大丈夫?」


「うん、大丈夫。」


レイがどうも風邪を引いたようで、朝から咳をしていた。


少し熱もあるようだった。


「とりあえず今日は仕事は休んで寝ときなよ。店長には僕から話しとくから。」


「わかったわ。ごめんなさい。」


「いいって。ここのところ忙しかったから。疲れがたまってたんだよ。」


そしてレイを置いて僕だけが仕事に行き、店長にその旨を伝えた。


「そっか、レイちゃんは休みかぁ。」


「すみません。」


「レイちゃん結構人気だからな。ここのところ忙しかったし。帰ったら俺からもゆっくり休むよう伝えといてくれ。」


そして仕事が終わり、余り物を持って家に着いた。


部屋に明かりが点いてなかったから、レイは寝てるのだろうと思ってそっと玄関を開けた。




台所でレイが倒れていた。


最初暗くて何かが置かれているのかと思った。だけど、風に蒼い髪がたなびくのを見て僕の周りの時間が止まった。


音が消えた。


「レイ!」


すぐにミサトさんに連絡を取り、病院へ直行した。


診察が終わるまでの時間、僕は青い顔をして震えていた。


処置が終わり、リツコさんと医者が出てきた。


「シンジくん、レイは――――――」














あれからどれくらいの時が経ったのだろう。


僕たちはあの後も二人で一緒に暮らした。


二人で楽しい思い出を積み重ね、つらいことを分かち合いながらいくつかの季節を過ごした。


そして今、二人でこうして寄り添っている。




幸せってなんだろう?


僕には本当のことなんて分かんない。


幸せは相対的なものでは無く、絶対的なものだってどこかで聞いた。


他人から見たら、僕たちは決して幸せではなかったかもしれない。


でも僕は二人で過ごした時間は幸せだったと思う。


だけど、レイはどうだろう?


僕はレイを幸せに出来たのかな?


僕は成長できたのかな?


こんな不安を感じること自体、やっぱり僕はバカシンジのままなのかもしれない。


ただ、自信をもって言える事が一つだけある。


二人寄り添って感じることが出来る、この気持ちはレイも同じだと思う。


僕は横に座って僕の肩に頭を乗せているレイに視線を向ける。


穏やかな顔をして眠り続ける彼女にそっと口付けをした。


次に出会うときには、彼女が幸多き人生を歩んでいることを祈って。












二人の前を幾人もの人が通り過ぎていく。


穏やかな顔をして眠り続ける二人を見て、頬を緩ませている。


見る人見る人笑顔を浮かべながら通り過ぎる。


けんかをしていた人も


忙しそうに小走りで走り抜けようとしていた人も


皆一様に心地よい、穏やかな心境に変わっていた。


風が二人の前髪を揺らす。


白いワンピースを着ていた少女は神秘的な魅力を放ちながら、静かに眠り続けていた。













   キャラコメ



シンジ:・・・


レイ:・・・


ミナモ:・・・


shin:・・・


シンジ:(ニコッ)殺す。


shin:ダッシュ!


シンジ:逃げるなぁぁぁ!!


ガシィ!


shin:やめろぉ!離せぇ!


レイ:どうしてこういうことするの?


ミナモ:そうよ。説明しなさい!


シンジ:(ニコニコ)早く説明した方がいいと思うよ?


shin:あの、ナイフをどけてくれませんかねぇ。


シンジ:ん、何?自分の血の色を見てみたい?いいよ、僕も久しぶりに見てみたいなぁ。


shin:(あかん、そういえばこいつこんな性格だった。)


ミナモ:久しぶりにバラしてみる?


shin:わ、わかった。話すから!


レイ:(じっと見つめる)


shin:(汗)いや〜、なんと言うか、その・・・何かを受信した、みたいな♪


シンジ・ミナモ:なめとんのかぁ〜!!

ビシッ、バシッ、ドグァ!


shin:へぶしっ!


レイ:やっぱりあなた用済み


shin:ま、待て!落ち着け!


レイ:問答無用。


ズバッ


shin:ぎゃあぁ〜!


シンジ:当然の報いだね。


ミナモ:そうね。作者の処分はレイに任せときましょう。


シンジ:さてこんな作者ですが一応LRSですので。


ミナモ:見捨てないでやってくださいね。


シンジ:なお、投稿はカップリングは問いませんので。




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