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(c)新藤悟 2005 - All Rights Reserved








 HAVE A NICE DAY!!























    楽しく生きるために必要なことを考えていた。

    苦しむよりは、楽しいほうがずっといい。単純なことばかり、難しくなってしまった今日このごろ。

    それでも、夢を諦めなかった男がいる! 

    碇シンジ。その少年は、爆走するルノーの中で、そのスピード感を存分に楽しんでいた。 

    「葛城さん!この開放感!最高だ!」

    「頭を下げてなさい!舌噛むわよ!!」

    怒鳴り合う車内。隣に座る飛び切りの美人。素晴らしい!なんて楽しいんだ!

    怒る美人の表情は心にくるものがある。

    アドレナリン大噴火のシンジは、ジェットコースターロマンスに浸りながら、やばい表情になっている。

    「まずい!伏せて!」

    急に美人が叫ぶと、シンジへ突っ込んでくる。

    視界が真っ白にスパークすると、縦揺れやら横揺れやら乳揺れやらで、よくわからなくってしまった。

    あれ、これが天国なのかな?

    もう少し現世の楽しみを味わってみたかった。たくさんやってみたいことがあったのに!

    主に18禁のシーンが頭の中をかけめぐる。

    でもでも、神の楽しみもいいかもしれない!やっぱり、神レベルになると地上なんて比較にならないんだろうなあ〜。

    よく分からない思考から覚めると、目の前は大地だった。


    





    地獄?








    現世よ!っとつっこんだかは知りませんが、葛城ミサトはあっちこっちから部品をパクってようやく車を走らせることに成功。

    底抜けに無邪気なこの少年に、ようこそネルフへ小冊子を渡すと、一息つく。

    思えば遠くまできたもんだ。

    しんみりとする葛城ミサトをよそに、シンジは早速小冊子を読み漁っていた。

    どんなことにでも楽しさを見出そうとする、その強引なまでのポジティブさには定評がある彼とはいえ

    あまりにもよく分からないこの展開には、少々困惑気味である。

    「あの、葛城さん?」

    「ミサトでいいわよ。何?」

    「父はここにいるんですか?」

    「そうよ。このネルフという機関の司令をやってるの」

    噛んで含めるようなその甘い言い方に、うっとりしながら、今の意味を充分に咀嚼すること約10秒。







    な、なんだって〜!
    


   

   
    大げさなリアクションも、シンジの売りです。

    「そ、その司令という呼び方は?」

    引き気味なミサトも律儀に付き合ってやる。

    「ここは国連機関だけれど、軍の性格もあるのよ」

    「司令…。軍…。僕の父が…。なんてこった!」

    ぶつぶつと独り言をつぶやくシンジを横目に、カートレインは目的の場所へと着く。

    未だに思考にふけるシンジを連れ立って、ケージを目指すミサト。

    何だかずいぶん変な子のようだ。報告書にも書いてあったが、目の当たりにしてみるとずいぶんである。

    「わかりました…。」

    低い声でミサトに喋りかけるシンジ。

    「な、なに?」

    「僕をあのロボットのパイロットにして地球の平和を守る、一大エンターテイメントなんですね?!」

    「え?」

    「そうなんでしょう!なんてことだ。私財を投げ打ってまで父がそんなことを!」

    「ちょ、シンジ君?」

    「見直した!感動した!」

    最早、つっこむ暇もない。

    「分かりました!成し遂げて見せます!ラスボスまで、この碇シンジ、慎重かつ大胆に戦ってみせますよ!」

    パイロットになる気満々のシンジを呆然と見つめるミサト。

    こんな非常時にここへ連れてきたということは、あるいはこの子がパイロットに。そんな可能性も考えていたミサトだったが

    本人が勝手に言い出すと思わなかった。

    呆れるやら、衝撃を受けるやらで、色々忙しく表情を変えるミサトもなかなかいいもんだとシンジは思う。

    

    「ミサト。いつまで待たせる気なの?」

    なかなか涼やかな声に振り向くと、白衣に水着というどうにも違和感のある格好の女性が立っていた。

    「赤木リツコよ。シンジ君、よろしくね」

    相当に豊かな胸。それに加えて、美しいプロポーション。素晴らしい!

    そしてこの衣装。白衣と水着という組み合わせは確かに、かなりの違和感があることは否めない。

    しかし、しかしだ。

    人間は固定概念を破壊することによって、新たなるエロの形態を獲得してきた。

    そこらへんの論説はエロい人に任せるとして、とにかくこれはこれでいい!

    「こちらこそ、よろしくお願いします!赤木さん!」

    「リツコでいいわよ」

    表情豊かなミサト。クールなリツコ。バランスもいい!父さんは何て素晴らしい環境を用意したんだ!

    シンジはいるかもしれない神に感謝する。

    ありがとう!神よ!aveshinさんよ!


    そんなこんなでケージにつくご一行。

    リツコの見せたいものとは!期待に胸ときめくシンジの前に、アイツがライトアップされた!

    無骨なラインでありながら、どことなく人の名残を思わせるような形状。

    正気の沙汰とは思えないパープルというカラーリング。

    悪役といったほうが正しそうなその巨大ロボット(頭部)にシンジは驚愕した。

    「こ、これは……」

    「ネルフが開発した汎用決戦兵器、人造人間エヴァンゲリオン。これはその初号機よ」

    「エヴァンゲリオン!いい名前だ!」

    しかし、この悪役ズラはなんとかして欲しい。

    いや、もしかしたら悪役なのか?

    うーん、しかしあれだ。世の中には魅力的で愛される悪役というものも存在する。

    必ずしも正義だけが格好いいわけではないし、それもそれでありかもしれない。

    それにダーティ・ヒーローなのかもしれないじゃないか!

    シンジの前途は洋洋である。

    
    「久しぶりだな、シンジ」

    重く低く響くような声が、頭上から降ってくる。

    この演出。この登場シーン。そうか、これが、この人が

    司令!

    ヒゲ面の顔は明らかに悪の総帥だが、もうかまわない。

    なんという少年の心をくすぐる設定!僕を捨てたのは!今日!この日のためだったんだね!父さん!

    「ふっ、出撃!」

    いきなりの出撃。ここであの怪獣を倒せば、一躍、碇シンジの勇姿が知れ渡るというわけだ。

    考えたな父さん!確かにリスクは大きい!しかしリスクはチャンスでもある!

    やってやる!

    それでこそヒーローってものさ!

    「そんな……! いくらなんでも無茶よ! レイですら起動には七ヶ月かかったのよ!?」

    「ミサトさん。お気持ちはありがたく受け取っておきます」

    冷静な物言いに、シンジに視線が集中する。

    「しかし、一刻も早くあの化け物を倒さなければ、多くの人が傷つくでしょう」

    威風堂々とあたりを見回す。

    「人は生まれたときから何かひとつの使命を背負って生まれてきたと言います」

    大声で叫んだ。

    「僕は今日!この日ために!生まれてきた!そう思いたい!」


 
    必ず!アイツを倒してきます!
 


    こんなセリフが言える日が来たなんて!

    なんという快感!

    人々の賛辞を込めた視線が気持ちいい!

    なんていい日なんだ!

    「分かったわ。シンジ君。操縦のレクチャーをします。こちらへ来て」

    リツコの冷静な発言で時間が動き出す。

    そう一刻を争う状況なのだ。

    と、そのとき揺れる揺れる揺れる。例の化け物がここを攻撃しはじめたらしい。

    上を思わず眺める。




   

    あ、鉄筋






    きっと後からこう語るときが来るのだろう。

    
    あのときはもうダメだと思った。いくらヒーローと言えど、生身に鉄筋はやばい。

    しかしです。やはりヒーローのヒーローたる所以なのでしょうか。

    エヴァンゲリオンが、操縦する者もいないの勝手に、僕を守ったのです

    もう一目会ったその時から、僕をパイロットに選んだのでしょう。

    (エヴァ戦記 序章 第十三ページより抜粋)


    よく分からない急な展開から抜け出せずにいたミサトも、その出来事の意味は敏感に感じ取った。

    「いける!」

    再びあわただしくなったケージ。

    人々の活気は、それぞれの仕事への誇りを感じさせる。

    この絶対絶命の状況の中、人はたくましく戦おうというのだ。素晴らしい意志である!


    エントリー・プラグに急きたてられて入ると、急に水のようなものが入ってくる。

    「こ、これは一体!?」

    「それは酸素を含んだ特殊な液体だから、気にせず肺に取り込んでちょうだい」

    水の中でも息ができるという驚愕の事実!

    テクノロジーもそこまで極まったか。シンジは半ば嘆息しながら、肺へ吸い込む。

    「う!血の味がする!」

    「我慢なさい!男の子でしょ!」

    そう、これから戦いにでる男に、この程度の障害は気にしていられないはずだ。

    戦いの前の儀式とでも考えれば、気合が入るというもの!

    それに血の味って闘争本能が沸き立つような感じもしなくもない。

    
    「シンクロスタートします!」
    
    「シンクロ率、43%!エヴァンゲリオン初号機!起動しました!」

    うおおお!という歓声があたりから響く。

    まあ、起動させるぐらいなら誰にでもできるだろう。

    評価はこれからの戦いぶりを見てくれてからでも遅くはないよ、みなさん!

    ハイテンションもここまで高まると、ただの馬鹿である。

    
    スピーカの向こうでミサトが声を発した。

    「司令、かまいませんね」

    「無論。使徒を倒さずに人類の未来はない」

    「エヴァンゲリオン初号機!発進!」

  
    なんだ、なんだこの燃える展開は!

    ツボを押さえたような発進前の掛け合い!

    シトとかいうのがあの化け物の名前なんだろう。

    興奮した頭でそんなことを考えていると、急激に身体全体に負荷がかかった。
    
    ついに戦いというわけである。



    永遠とも思える垂直上昇の負荷に耐え切り、目をあけるとそこに例の化け物が立っていた。



    「ミサトさん!指示をお願いします!」

    「まずは歩くことを考えて!エヴァはシンジ君が思考するだけで動き出すわ!」

    なんと!水中で息をできるというだけでシンジは息がとまるほど驚愕したというのに

    考えるだけで動く兵器を作るとは、人間というものの偉大さを感じる。

    夢を追いかける!その姿こそ美しい!

    シンジはこのエヴァを建造した者にシンパシィを感じて、心が浮き立った。

    
    そっと一歩足を進める!

    動く!

    すごい!すごい!すごすぎる!

    どういう仕組みなんだろう!

    いやいや、ここは戦場。クールになれ!今はあいつを倒すことを考えろ。そう倒すんだ。

    さて、あいつはどこだっけ?


    そんなことを考えてる間に横っ面をぶん殴られる。

    
    痛い!

    あれ、痛いぞ!

    「痛い!痛いんですけど!これ!どうしたんですか!?」

    「シンクロ中は痛みもシンジ君に伝わってしまうの!」

    またもや律儀な説明。

    「んなアホな!」



    再び蹴っ飛ばされ、ぶん殴られる僕の身体。

    いくら何でもリアルを追求しすぎだよ。

    最近の、何でもリアルにすればいいという方向性には賛成できないね。

    くだらないことを考える意識が、だんだんと薄らいでゆく。

    なるほど、ここで戦死するわけか。

    なかなかいい死に様じゃないか。

    こんな死に方できるのは、僕くらいだぞ?そう考えると、これも悪くないな。

    うん、もしかしたら歴史に残るかもしれない。尊い犠牲。うん、なんか格好いいじゃないか!

    お決まりのポジティブさで、しっかりと心の整理をすると、僕は笑った。

 
    最後まで


    ぼくは


    楽しくやれたよ


    ありがとう


    世界


    ありがとう


    神様






    さようなら





    そして全ての人々に

    素晴らしい一日を!





    HAVE A NICE DAY!!








    

    未完  続かないぞ!













あとがき

当サイト開設当初から大変お世話になっている「My Evangelist Home」
その管理人であるaveshinさんへ捧げる 20万HIT記念がこの駄文。
大変申し訳ありません(土下座)

ギャグのポテンシャルは無いとはっきり分かった執筆後。
それでも自己ベストのテンションを記録し、新しい自分を発見した快感に
妖しい誘惑を感じる次第です。

どうかゴミを投げないで!といった感じで
お祝いに代えさせていただきます。

SUNDAY WORKS の ラクエでした。
        






shin:ラクエさんから20万ヒット記念を頂きました。

シンジ:ホントにありがとうございます。


shin:シンジ君良いキャラしてるね〜。

   しょっぱなからテンションマックスのやや危なげな暴走!

   超ウルトラポジティブシンキング!
   
   こんなシンジ君ならきっと未来は明るいでしょうな(笑)

ミナモ:全くね。きっと毎日が楽しいでしょうね。

シンジ:ラクエさんは管理人以上のギャグセンスは持ち合わせてるよね。

ミナモ:そうね。こいつはシリアスしか書けないくせにたまに中途半端なギャグを書きたがるし。

shin:いや…まあ…はい、仰るとおりで……(汗)

シンジ:そして最終的に大火傷する、と。

shin:ラクエさんも書いてるじゃないか!新しい自分の発見に怪しい誘惑を感じるって!

ミナモ:そうは言ってもねぇ…

シンジ:ねえ。

shin:うう……(イジイジ)

ミナモ:いじけてる管理人はほっといて…

    改めてラクエさんに感謝致します。

シンジ:お読みになりましたら皆さんぜひとも感想をお願いします。















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