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epilogue 









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(c)新藤悟 2005 - All Rights Reserved







 トパーズ。
タマキがそう呼んだ少女はゆっくりと二人に近づいてきた。暗闇の中から足音一つ立てずに歩いてくる姿は、周囲の静寂と合わさって不気味だ。まるで闇に溶け込む実体の無い何か得体の知れないもののようで、だが聴覚が人より優れるリンシンは足音とは違った音を拾い、目の前の少女が自分たちを脅かす脅威だと認識しながらも実体を持った存在であると認識しとことによる奇妙な安心感と、それでもなお正体の分からない恐怖に震えた。
 非常灯に照らされ、そこでリンシンは初めて少女の全身を認めた。
上半身は血の様に真紅に彩られた半袖のTシャツ。下半身は左足部分が丸ごと切り取られたジーンズを履いており、露出した脚は細身ながらも随所に見られる筋肉の様子から鍛えぬかれていることがよく分かる。
セミロングの黒髪をトパーズは掻き上げた。顕になった白い肌、顔立ちは秀麗。口はやや大振りだが十分美人、あるいは美少女と世間では呼ばれるレベルであり、また顔立ちにも幼さが残っている。しかし長身でスタイルの良い姿はリンシンから見れば成熟した大人の女性に見え、小柄なタマキを見てきたためかその印象は尚更だ。

「なんだなんだァ。つれねー態度だなァ。せっかく久しぶりに再会したってんだからもっと友好的に行こうぜェ?」

 ぞんざいな口調が部屋に響く。口元は獰猛さを感じさせる笑みで歪み、居丈高にタマキを見下す目線はとても友好的には思えない。クチャクチャと何かを噛む音が一定のリズムで聞こえ、トパーズの口から何かが風船の様に膨らんで割れた。それをまた口の中に戻して噛み始め、リンシンは先ほどの足音以外の音がトパーズのガムだと気づいた。

「アナタから友好的だなんてセリフが聞けるなんて思ってみませんでしたわ――正直虫唾が走りますわ」
「へぇ、奇遇だな。私もお前の顔を見てると虫唾が走って気持ちワリィぜ。まぁ仕方ねェ。私たちはそういう関係だ。そうだろう?――ペリドット」

 ペリドット、という聞きなれない言葉にリンシンは首を傾げ、少し間が空いてそれがタマキを指していることに気づいた。タマキの顔を見遣るが、その表情は固く、わずかに眼を細くした。
タマキは耳鳴りが治まったのを確認するとスッと立ち上がった。リンシンの前に立ちふさがり、トパーズの視界からリンシンが見えない様に隠す。リンシンを、この女の視界には一秒たりとも入れておきたくない。トパーズと睨み合いながら、タマキは小声で背後のリンシンに話し掛けた。

「先にお逃げなさい。ワタクシはこの女と少しばかりお話していきますわ」
「でも……」
「心配は必要ありませんわ。それよりも早く英雄様を連れてきてくださる方がいいですの。ああ、電話番号は分かりますわね?」

 小さく頷くリンシン。それを横目で確認するとタマキは安心させるように微笑んでみせた。
油断なくトパーズの動向を観察していつでも動き出せるようにタマキは身構える。少しでも動こうものなら、即座に魔術を発動できるようにコードを頭の中で思い描いておく。しかしトパーズはニヤニヤと不遜に笑いながらガムを噛んでいるだけだ。
タマキの後ろからリンシンが走りだし、二人から離れていく。入り口とは反対側、つまりはトパーズがやってきた方へと逃げていったがトパーズは特に追いかける素振りは見せなかった。

「あら、よろしいので?」
「別に。あのガキに興味はねぇしなァ。邪魔になるくらいなら居ない方がマシと思っただけだよ」
「そうですの。相変わらずお仕事には適当ですのね」
「この仕事なんざもうどうだっていいんだよ。お前のそのスカした顔をグッチャグチャに潰せるなら違約金なんざ安いもんだ。雇われて来てみれば敵がお前だっつうんだから正直――悦びに震えたぜ。お前だってだからココに来たんだ。そうだろぉ?」
「ええ。誘いに乗ってあげたんですから感謝してほしいものですわね。『孤児』ヴァイスを出て五年。とっくに追手に討たれて野垂れ死んでるかと思ってましたが存外しぶといのですのね」
「はっ! 私を誰だと思ってる? あんなクソ溜めの雑魚どもにやられるかよ。全員逆にブチ殺してやったぜ」

 フーセンガムを膨らませながら得意気に語るトパーズだが、タマキは大げさな仕草で肩を竦めてみせる。

「よく言いますわ。所詮――序列七位のくせに」
「ああッ!?」

 バカにしたように序列を口にした途端、トパーズの態度が激変した。蟀谷に青筋を立て、傍にあった実験設備らしき配管を殴りる。スチール製のそれが轟音を立てて大きく変形し、破損した箇所から蒸気らしき気体が溢れだした。

「ナマ言ってんじゃねぇぞこらァッッ!! テメエなんざ十三位のクセにふざけた事抜かしてんじゃねぇぞっ!」
「沸点の低さも相変わらずですわね。そんなだからルビーやサファイアに手も脚も出なかったのでは無くて?」
「俺は負けてねぇっ! あのクソアマどもに有利なように周りが仕向けやがったんじゃねえかァっ!」

 怒ると一人称が変化するのも変わらないですわね。激昂して怒鳴り声をあげるトパーズを冷ややかに眺めながらタマキはそう呟いた。そして、かつて二人が同じ時間を過ごした在りし日を思い浮かべ、ギリ、と奥歯を強く噛み締める。

「何もかもが昔のまま。何一つアナタは変わってませんし、何も見えていませんわ。ま、そんな事はヴァイスを出奔した――あの方を殺した時から分かっていた事ではありますけれど。
 いいですわ。ここでワタクシが出会ったのも必然。いつまでもくだらないモノに拘っているアナタに引導を渡して差し上げますわ」
「……いいぜ。久々にドタマに来た。全殺しじゃ気がすまねェ、ああすまねぇよなぁ。全殺しの前に半殺しだ。その顔を片目だけ残してグチャグチャに潰してやるよ。んでその後にテメェが大事にしてるさっきのガキをひん捕まえてテメェの前に連れてきて、目の前でぶっ殺してからテメェが泣き叫ぶ姿眺めてドタマかち割ってやる」
「笑止、ですわ。あの子を一度見逃したのだって、最初からそうするつもりだったからですわよね?」
「はっ! ハナから分かっててスカしたツラしてたわけか。ああ、そうだ。だからこそ尚更気に食わねぇんだよ。昔からな」
「癪ですけれども同意ですわ。ワタクシも気に食わなかったですもの。ハッキリ言って、アナタの顔を見ている今でも反吐が出そうですわ」

 トパーズが嗤う。大ぶりの口をいっそう大きく左右に引き裂き、眼を大きく見開いて噛んでいたガムを吐き捨てた。

「御託はここまでだ。――ぶっ殺してやる」
「そういうわけにはいきませんわ。あの子を守るためにも――自称、姉として負けられませんわ」

 互いの言葉に乗せて殺気をぶつけ合う。
 そして双方の口から詠唱が始めたのは、同時だった。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「相変わらず元気そうで何よりだよ、犯人さん。
 いや、染矢・ユキヒロ」

 僕の隣でスバルはユキヒロの名前を呼んだ。そこには失望だとかこの後に起こるだろう親友との戦いを前にした気負いだとか戸惑いだとかそういったのは微塵もなくて、ただありのままの事実を口にしただけの様に見える。たぶんスバルにとっては実際そうなんだと思う。名前を呼んだのは単なる確認作業であってそれ以上の意味は無い。
翻って僕はと言えば心が揺さぶられるのを禁じ得ない。一連の事件の犯人がユキヒロだとは分かってはいて、そして君代さんだとかユキから諭されて向き合う覚悟を決めたつもりでは居るんだけれど、実際にユキヒロの姿を目にすると言葉で表現するのが難しい複雑怪奇な感情が僕の中を駆け巡る。
例えば失望――やっぱりお前だったのか。
例えば疑問――どうしてこんな事を。
例えば疑念――本当にユキヒロがやったのか。
この期に及んでも僕はまだ心の何処かで真犯人がどこかに居るんじゃないか、なんてそんな有りもしない妄想であり願望でもある何かにすがってしまいそうだ。それは僕の弱さであり、ずるさでもある。直視することの困難さに僕は眼を閉じて、そこで初めて自分の眉間に皺を寄せていたことに気づいて指で解した。

「……何のことだ? ってとぼけたいところだが、今更そういうわけにもいかないよな、やっぱ」
「ユキヒロ……」

 指でもう一度口元を拭って立ち上がったユキヒロは乱れたパーカーのフードを整えると僕とスバル、そして僕らの後ろに展開する多くの武装した軍警察を落ち着いた様子で見回した。そして僕に殴られたせいで壊れてしまった眼鏡を拾い上げに行こうとした瞬間、武装した軍警察の人たちが一斉に動いて銃を構える音がした。だけどもユキヒロはそれを気にした様子もなく拾い上げ、眼鏡の状態を確認すると小さくため息を吐いた。

「あーあ、この眼鏡結構高かったんだぞ?」
「本当に……本当にお前が……?」

 気がつけば僕はそんな愚かな問いを口にしていた。

「殴り飛ばしといて今更そんな事を俺に聞くなよ、ヒカリ」
「理解ってる。けど、僕はユキヒロの口から聞きたいんだ」
「まったく……相変わらずお前は優しいっていうか甘いっていうか。まあ、いいさ。ハッキリ言ってやるよ。そうだ、俺がこの事件を引き起こしたんだ。四之宮・ユズホの件も、全部な」
「……っ!」

 認めた。認めてしまった。これで無いに等しかった一縷の望みも絶たれてしまった。明確に僕とユキヒロの間には境界が出来てしまった。
すなわち、善と悪。断罪者と被断罪者。今更、ホント今更だけれど立場の違いが明確になってしまった。
 やるせない感情が溢れてきて、けれども僕はそれを押し殺すために拳を強く握りしめた。奥歯と一緒に湧き上がる感情を噛み締め、意識して息を大きく吐き出す。
ともかく、これで終わりだ。ユズホさんのドッペルゲンガーはどうなったのか、どこかに居るならその場所は。聞きたいことは、聞かなきゃいけない事は山ほどある。その為にもやりたくないけれどユキヒロの身柄を拘束させてもらって、落ち着ける場所に移動しよう。

「ところで、聞きたいことがあるんだが」
「ん? 何さ?」

 ユキヒロの方へと歩み寄ろうとしたその時、ユキヒロがスバルに向かって尋ねてきた。

「いつから俺が犯人だって気づいたんだ? これだけの人間を集めて見張ってたって事は前から俺がそうだって気づいてたんだろ? やっぱりあのアイドル英雄に教えてもらったのか?」
「いや、イチハには別に教えてもらってないし、探すのにも手伝ってもらってないよ。そこまでイチハは親切でもなければボクを好いてもいないからね。ボクがユズホちゃんに見えるよう情報魔法は掛けてもらったけどね」
「ならどうしてだ? これでも結構バレない様に気をつけてたんだけどな」
「最初に変だなって思ったのはユズホちゃんの病室だね」
「そんな前にか?」

 スバルの答えが予想外だったみたいで、ユキヒロは訝しんだ様に眉根を寄せた。

「うん。ユキヒロは言ったよね。ドッペルゲンガーが『喰われた』みたいだって。ドッペルゲンガーは『第二の自分』って言われてるくらいだから、まあ植物状態のユズホちゃんを見てドッペルゲンガーを失くしたってイメージするのは分からないでもない。けれど、『喰われた』って表現は普通しない。特にあの場合は僕らは獏の事とか何も知らなかったからね」
「参ったな……そんな事口走ってたのか」
「しかも獏の情報を提供してくれたのもユキヒロだし、一旦疑ってしまえばバイトの欠勤が増えてるとか、その日に限って事件が起きてるだとか、まあ調べてれば証拠なんていくらでも出てくるからね。ただユキヒロのパソコンとかハッキングしても状況証拠は出てくるけど、直接犯行を示すものは無くてさ」
「それで今回の尾行に繋がったってわけか」
「そゆこと。ホントは友達を疑うなんて真似はしたくなかったんだけどさ」
「必要とあればためらわない。それがスバルだからな」
「よくご理解してくれて、ホントに友だち甲斐のある奴だと思うよ? だからこそ――残念で仕方ない」
「スバル……」

 僕の位置からは横顔しか見えないけれど、一瞬だけスバルは悔やむように下唇を噛んだ。でもすぐに平静を装ってアルカイックスマイルを浮かべて、ユキヒロの方に手を差し出した。

「終わりだよ、ユキヒロ。もう残された選択肢は一つ、罪を償うしか無い。
 なに、大丈夫さ。ユキヒロがキチンと自首して罪を償ってくれるなら悪いようにはさせないから。ユキヒロの後ろに付いてる人たちにもまとめて償わせてあげるからさ。
こう見えてもボクは色んなところに貸しがあるからね。過ちを犯したとはいえボクにとっても大事な友人だからさ、ユキヒロ一人に罪を背負わせたりなんかしない」
「まだ……」

 ユキヒロもまたスバルと僕に向かって一歩踏み出してスバルの手を取ろうと手を伸ばしてくる。
いっつも冷静で、僕らの中では一番ユキヒロは大人びてた。どんなに周りにバカにされても努力を惜しまないで、僕やスバル、タマキが何かやらかした時には呆れながらも尻拭いしてくれた。バイトしながら生計を立てて、僕たちの誰よりも苦労してたはずなのにそんな様子は微塵も見せなくて。
ユキヒロは、大げさな言い方だけど僕の憧れだった。困難に挫けず強く生きてる姿は、常に周りを気にして生きている僕には出来ない生き方であり、目標でもあった。そう思っていた。

「まだ、俺を友達だと言ってくれるのか……?」

だけども今、僕らを見据える鋭い目つきは親を見失った迷い子みたいに心細そうで、それは紛れも無く僕らにユキヒロがまだ同い年の少年なんだって、極々当たり前の事実を突きつけてきた。
 気づけば僕は声を絞り出していた。

「当たり前だろっ……!」

 僕だけが苦しかったワケじゃない。ユキヒロだって苦しかったはずだ。かつて失った魔術を取り戻そうと必死でもがいてた。途中で心が折れそうになることだってあったはずだ。だけど僕はそんなユキヒロに気づかず、自分の事しか考えていなかった。
まだ僕には、どうしてユキヒロがこんな事件を起こしたのか知らない。だけれども、ユキヒロの内に積もり積もった闇を僕が気づいていたら、また違った未来があったのかもしれない。僕は、大事な友人を――救えていたかもしれない。
悔しい。誰かの役に立ちたいだなんて、そんな願いを抱いておきながらすぐ傍に居た人の事を救えていなかった。なんて、無様だ。けれど、それよりも、ユキヒロに今回の事件で僕らとの友情が終わってしまったなんて想いを抱かせる程度の関係しか築いてやれなかった、その事が悔しい。

「ユキヒロはユキヒロだ。犯した罪は許される事じゃないけれど、正直……裏切られたとも思ったけれども、だけど僕らは友達だ。何があったとしても友達だ。それは変わらないと僕は信じてるし、ユキヒロにもそう信じてほしい」
「そうか……」

 ユキヒロは目を閉じて星の無い夜空を見上げた。そして僕らの方を見遣ると照れくさそうに笑って頬を掻いた。その笑顔には昏いところが何も無くて、高校生らしい無垢さが表れていて、見ているこっちも思わず照れくさくなって笑ってしまう。

「本当に……お前ら二人ともよくもまあそんな臭いセリフを真顔で言えるよな。聞いてるコッチが恥ずかしいっつうの」
「おっと、気に食わなかったかな? ボクの本心を伝えたつもりだけど」
「気に食わなくはないけどよ……まあいっか」

 ユキヒロはスバルの手を取った。

「ありがとう……本当に……ありがとうな……」

 笑いながらユキヒロは涙した。逆の手で僕の手に触れてきつく握りしめてきた。その手はとても温かくて、その力強さはユキヒロの気持ちの深さを表している様に思えて、僕もキツく握り返した。
そして――

「さよならだ」

 ユキヒロはその手を離した。

「ユキヒロ?」
「もう、遅いんだ」

 泣いて、笑って。歓喜しながら慟哭して。相反する二つの感情を面長の顔に浮かべて、ユキヒロは僕らから一歩下がって距離を置いた。

「最初から……俺は、間違ってしまったんだ」
「どうしたんだよ、ユキヒロ?」

 ユキヒロは僕らから離れると急に頭を抱えて苦しそうにうめき始めた。
呼吸は荒くて、途切れ途切れに言葉を発する声は小さく、でも何かを僕らに訴えかけてくる。

「見つけたのは、偶然だったんだ……ずっと魔術を使えるようになりたくて……前みたいに強くなりたくて……もうサミシイのはイヤで……
 もしかしたらって、思ったんだ。できるかもって、思った。思ってしまった、んだ。俺が、魔術を使えなくなったのは、ドッペル、ゲンガーを亡くした、それか重大な欠損が出来てしまった、から、じゃない…かって」
「いいよ、ユキヒロ。今はしゃべらなくていいからさ。具合悪いなら……」
「ダメ、だ……」

 今にも倒れそうなユキヒロ。顔を覆った手の隙間から覗くユキヒロの眼は虚ろで、どう見ても普通じゃない様子にスバルが手を貸そうとするけれども、ユキヒロは拒絶した。

「今、だ。今、聞いてくれよ、スバル、ヒカリ……」
「だけど……」
「頼む……」

 ユキヒロは頑なにしゃべろうとする。僕らは見合って最後まで聞くことにした。
 黙って僕が頷くと、ユキヒロは笑みを浮かべた。

「魔術が使え、なくなって、俺は寂しかった……寂しくて、寂しくて…ただ生きてる、それだけでも苦しくて…夜になると、毎晩死にたく、なるンだ。世界が、まるでボクヲ見放してるよう、だった」

 その告白に、僕は呼吸を忘れた。
ユキヒロの話すそれは僕が常日頃苦しんでいる事そのものだ。
例えようも無い、飢餓感。虚無感。孤独感。自分は何者にも連なってなくて、何処に居るかも分からない。世界がまるで闇に閉ざされてしまったみたいで、周りに誰が居ても何をされても繋がりを実感できない、世界の全てが拒絶しているような、そんな感覚。
言葉にすればたいしたことが無い様に聞こえて、けれどこの孤独は誰にも理解できない。何者にも理解できない。
どれだけ周囲に理解を求めても欠片も理解されず。
どれだけ周囲が理解を求めても欠片も説明できず。
周りが助けたくても、その願いを頭で分かっても、何一つ感じることができない、欠陥。
僕は知っている。共感も同情も何一つ意味を成さない、そんな絶対的な孤独を。
そして今の今までその感覚を抱いているのは世界でただ一人、僕だけだと思っていた。
けれども――

「魔術を失って…おレハ、ただ生きることが、つら、かった。だからワタシ、は何とかしたかったんだ。ただそレだけ、だった」
「ヒカリ……」
「うん、わかってる」

 明らかなユキヒロの異変。体調が悪そうなのは変わらないけれども、さっきから口調が安定していない。一人称もコロコロと変わって、まるで、ユキヒロがユキヒロじゃないみたいで。

「やっぱり止めよう。ユキヒロには悪いけど、このままだと何だかやばい事になりそうな気がする」

 スバルがそう言ってまたユキヒロに歩み寄ろうとした。
その時だった。

「スバルっ!!」

 近寄りかけたスバルの腕を、とっさに僕は引っ張りよせた。
直後――スバルが居るはずだった場所に巨大な火柱が立ち昇った。
業火。僕らの背後から照らされているスポットライトの光さえもくすんでしまう程の、近づくもの全てが灰になってしまうような炎が僕らの前に立ちはだかった。
唖然とする僕ら。そして炎が消えて、再び顕になったユキヒロの傍には――

「デキルわけがないって、思ってた。け、れど、方法は、あったん、だ」

 無数のドッペルゲンガーが、昏い瞳で僕らを見つめていた――

「ドッペルゲンガーを奪エばどうナルか、ナんて、分かりきってた。ドッペ、ルゲン、ガーはもう一人、の自分。試してミたら相手、が、クク、死ニヤがったから死、ヌ、のは理解って、た。理解ってたけれど、だけど誘惑に俺は、ワタシは耐えられなかった」

 数えきれない程のドッペルゲンガーに囲まれる中、顔を上げたユキヒロの眼からは真っ赤に血が流れ落ちていた。眼球の血管という血管が千切れてしまったようで、見るからに痛そうだっていうのに、ユキヒロは嬉々とした、恍惚とした表情で話し続ける。

「ミたされる、ンだ。それまで寂しくて、寂しくてタマらなくて……辛くて全てを投げ出して、しまイ、たかったのに、ドッペルゲン、ガーが、自分のモのにナった瞬間に、世界が変わるんだ。世界に、色ガ生まれるんだ。ソレが、すっげぇ、スゴく嬉しいんだ。世界がこ、ンナにも素晴らしいもの、だったんだって、昔ノ自分、がすっげェ満たサれて、たんだっテ、思イ出せタンだ」

 ユキヒロは両手を広げ、まるで群衆に語りかける聖職者の様に思いの丈を口にした。たどたどしい口調で語るその様は異様だ。真っ赤な眼の奥に正気は無くて、狂った瞳が何を今映しているのか僕には分からない。
その時、空気が粘着性を増した。

「ユキヒロッ!?」
「ダメだ、スバルっ!」

 励起する魔素。それは分かっても何が起きてようとしているのかスバルはできてない。ついさっきもユキヒロに攻撃されたっていうのは理解出来てるけれども、なぜアイツが僕らに向かって魔術を撃ってくるのか、そして詠唱も無しにどうやって魔術を行使しているのか、何もかもが分かっていない。
不可視の風がまたスバルと僕を襲う。地面が抉られて、僕が慌てて手繰り寄せたスバルの瞳は明らかな困惑で揺れ動いていた。

「っ! 構わん! 攻撃開始っ!」

 後方から怒声。次いで射撃音。後ろに控えてもらっていた軍警察が一斉に発砲して、甲高い音が僕の耳をつんざいていく。

「やめろぉっ、やめてくれっ! やめてくれよぉっ!!」

 スバルが叫ぶ。僕も叫ぶ。けれども、その声は銃声にかき消されるまでも無く軍警には届かない。届くはずが無い。なぜなら彼らはユキヒロを捕まえるべき相手では無くて――殺すべき相手だと認めてしまったから。
着弾とともに砂煙が立ち込めていく。それはあっという間にユキヒロの姿を覆い隠してしまう。
けれども。
一陣の風が吹き荒んだ。砂埃が一斉に巻き上げられて細かい砂が僕らに向かって叩きつけられてくる。

「くぅ……っ!」

僕は顔を腕で覆ってそれを遮る。風が舞ったのは一瞬。暴風はすぐに収まった。
そして何も変わらないユキヒロがそこには居た。

「世界ハ素晴ら、しい。それは思、い出せタ。ダッテいうのに……すグに消えちまうんだ」
「どうしたっていうんだよ、ユキヒロ……」
「……まさか」

 空中に静止していた銃弾が一斉に重力に引かれてアスファルトに落ちていく。カラカラと音をたてたそれは自然の風に吹かれて地面を転がった。
 スバルの嘆きにも耳を貸さず、ユキヒロは血の涙を流す。さっきまでの銃弾の嵐なんて無かったみたいに変わらず僕らの、いや、僕の方を見て真っ赤な涙を流していた。

「何か分かったの!?」
「たぶんユキヒロは……喰われたんだ」

 ユキヒロは孤独を埋めるために、他者を喰らった。他人のドッペルゲンガーを捕食する事で寂しさを埋めて、世界に自分を留めていたんだと思う。けれども、それはきっとユキヒロが一方的に喰らうという関係じゃ無かったんだ。

(人の心を食べるとその人の心が私たちの心と置き換わってしまうのです)

 レストランでのリンシンの言葉が過った。今、まさにユキヒロに彼女の言葉通りの事が起こっているとするならば。

「ユキヒロはたくさんのドッペルゲンガーを喰らってきた。でもそれは同時に、ユキヒロが彼らに喰われる事も意味してたんだ。リンシンがこの間言ってたじゃないか。人一人の心が持つエネルギーは膨大だって。人を食べることは……その人に成り代わる事と同じなんだって」
「そんな……それじゃあユキヒロは……」

 絞り出すような声のスバルに対して、僕は返事をしなかった。

「ダッテいうのに……また世界ガ、裏切るンだ。せっかく、満タされたノに、また、何も、カもが色アせて、寂しクて狂いソ、ウな毎日が、始まルんだよ……
ワカるか? 俺の孤独が、理解でキるか? 世界かラ嫌ワれ、る絶望が、お前ラに理解できるか?」

 僕らが返事ができないでいるのにユキヒロは泣きながら僕らに訴えかけてくる。今の声は誰の声だろうか。ユキヒロの声か。それともユキヒロにドッペルゲンガーを奪われた亡霊の声なんだろうか。正気を失ってしまってるっていうのに、だっていうのにユキヒロは僕らに泣きながら静かに語りかけてきてくれる。その思いは一体誰のものなのか。

「いや……」

これはユキヒロの声だ。アイツが助けを求める声だ。孤独から助かる術を求めて、必死に力を振り絞ってるユキヒロ自身の嘆きだ。正気を失ってなお、他の誰でもなく僕らを頼ってくれてるんだ。だからこそユキヒロは後ろの軍警察には目もくれずに僕らから視線を外さないんだと思う。
 まだ、完全にユキヒロは自分を見失ってはいない。

「まだだ……まだ何とかなるかもしれない」
「何か方法でも思いついたの?」
「いや、何も……でも諦めたらそれで終わりなんだよ、スバル。それに、素直に手を貸してくれるとは思わないけれどイチハなら何か方法を知ってるかもしれない」

 ともかくは、今やるべきことは一つ。ユキヒロを止めることだ。何とかしてユキヒロを捕まえて大人しくさせないと、今のままじゃ何もできやしない。
視界に映るドッペルゲンガーたちが薄っすらと笑ってコードを描き始める。さっきの魔術と無傷のユキヒロに呆気に取られていた軍警察の人たちもまた警戒を露わにして身構えた。
けれども。

「ヒ、カリ……」

 掠れた声でユキヒロが僕を呼んだ。その声は確かにユキヒロのものだ。

「心配するなよ。きっと何とかしてみせるから」

 だけどユキヒロはゆるゆると首を横に振った。

「頼みガ……あるん、だ」
「バカ、縁起でも無いこと言うなよ。絶対……絶対助けてみせるから」
「もう……ムリだ。俺、はもう、戻れない……最初から、ドッペルゲンガーに手を出すべきじゃなかったんだ。今も、けっこ、う、限界なん、だぜ……? ど、うやら、奪ったヤツに、やばかった人、間が居た、みたいでな。気を抜け、ば、さっきみたいに、お前、らヲ、殺シテ、しマいそうになっチまう。殺し、テ、まタドッペルゲ、ンガーを、奪いタくなっちマう。だからヒカリ……」

 辛そうに笑って。そして――

「――俺を殺してくれ」

 一番残酷な言葉を僕に告げた。

「なにを……」
「今も……俺の中には、奪ったドッペルゲン、ガーが、居る……俺を殺せばたぶん……元の持ち主、に返せるは、ずだ。それ、と、俺が渡し、たドッペルゲンガー、の事も、頼、む。四之宮の、ドッペルゲンガーも、一緒に魔技、総研って場所、に保管されて、るからよ……」

 言い終えたユキヒロはとても満足気で、思い残すことは何も無いとでも言いた気だ。
その一方で、僕の裡はひどく荒れていた。
殺してくれ。それは最もひどくて独りよがりな言い草だ。僕とユキヒロは友達だ。かけがえの無い大切な友だ。僕の人生において、無二の友人だ。殺してくれだなんて言われて、殺せるわけがない。
だけども一方では、ユキヒロの言い分を理解できてしまっている僕が居る。何故ならば、それは常日頃僕が思っている願いそのものだから。
現実の辛さに逃げ出したくて。苦しい毎日を終わらせてしまいたくて。
そして何より、孤独な世界を終わらせてしまいたくて。
だから独り者は祈ってしまう。孤独な日々の終わりを。けれど同時に期待してしまう。いつか、いつかこの孤独から抜け出せる日が来るんじゃないかと。そして、このままで終わってしまいたくないと、世界からまた好かれて、そして死んでしまいたいと。だから自分で決断できない。このまま終わってしまうのは、あまりにも救いがないと理解っているから。

「……断る」

 そしてだからこそ僕はユキヒロの願いには応えてあげない。

「ユキヒロは……僕らはまだ生きるべきなんだ」

 例えそれが、人の願いを叶えるという僕の呪いに抗うことであっても、僕はまだ終わらせてしまいたくない。
それは、はかない希望なのかもしれない。きっと僕らは一生この孤独を抱えたままで生きていかないといけないのかもしれない。そこに僕らの希望は、実は存在していないのかもしれない。
だけども。

「ユキヒロの傍にはスバルが居る。タマキが居て、リンシンが居て、僕が居る。僕らの孤独は決して他人には理解できないし、孤独から解放される事は無いのかもしれない。
 でも、ユキヒロ。孤独はさ――癒やすことはできるんだ」

 ユキヒロの姿は、言うなればもう一人の僕だ。スバルやユキが居なくて、十分に支えてくれる人が居なかった場合の僕であり、孤独を埋めるための手段を人から奪うことに求めてしまった僕の姿だ。そんなユキヒロだからこそ――僕は助けたい。ユキヒロを助けるのと同時に、僕が僕自身を救うために。

「僕らは独りじゃない。世界に嫌われてても僕らはユキヒロを好きなんだ。僕らが傍に居る。ユキヒロがこれまで僕の傍に居てくれたみたいに、ユキヒロの周りに僕らが居るんだよ。だから絶対に――ユキヒロの願いは叶えてやらない」
「……ユキヒロさ」
「スバル」

 俯いていたスバルが顔を上げて、掴んでいた僕の手を解くと「ありがと、ヒカリ」とお礼を言って横に並んだ。

「正直ボクにはユキヒロの感じてる孤独なんて理解できない。だってボクはユキヒロじゃないからね。理解はしてあげられない。してあげたいと思うけれど、完全になんて理解できない。でもそれはしょうがないことだと思う。それが人間なんだもの。
 けれど、隣で一緒に歩いていく事はできると思うんだ」

 スバルは僕の方を見て微笑み、そしてユキヒロにもう一度手を差し出した。

「来なよ、コッチにさ。
 頼りなよ、ボクらをさ。
寂しさは無くならなくても、傍に誰かが居ればきっと寂しさは忘れられるから」
「ス…バル……」
「手をボクらに差し出す。ユキヒロはそれだけすればいい。後はボクらに任せていいからさ」

 スバルに続いて僕もユキヒロに手を伸ばした。
僕とスバルの手が宙に並ぶ。ユキヒロとの距離は数メートル。僕らならたった一歩で届く距離だ。けれども今は遠い一歩。
赤い目のユキヒロは無言で僕らの手を見る。赤い涙が頬に伝ったまま、ユキヒロは星空を仰ぎ見た。
そして――

「じゃあ――後は頼む」

 ――ユキヒロは僕らに向かって手を伸ばした。

「ああ。確かに頼まれたよ」

 距離はある。到底手は届かない。けれども、僕らは確かにユキヒロの手を取った。
ユキヒロは安心したように笑った。
次の瞬間、獣の様な咆哮が夜の街に轟いた。

「さて、それじゃ約束した手前、やることはキチンとやらなきゃね」
「だな」

僕らに向かって微笑んだ直後、どうやらユキヒロの意識は他の人間の意識に飲まれたらしく、今は獰猛で剣呑な視線を僕らに向けてる。周囲の魔素は、これ以上ないくらいに大規模に励起して、暑くは無いはずなのに汗ばむくらいにじっとりとした汗を自然と掻いてしまう。きっと緊張によるものなんだろうけれど、不愉快な気候とは裏腹に頭の中はひどくクリアだ。不安なんてどこにも無い。
攻撃が効かなかったからか、それとも会話をしていた僕らに気を遣ってくれたのか知らないけれど、おとなしくしてくれていた軍警察も再びの異変を感じてか遠巻きながらも緊張が高まっているのが振り向かなくても分かった。
ユキヒロと話している間はそれぞれ胡乱に彷徨っていた多くのドッペルゲンガーたちが僕らの方に一斉に振り向く。当たり前だけれど生気の無い視線はひどく不気味で、そんな彼ら彼女らの眼が怪しく光った。そんな気がした。
現れる無数の魔法陣。多種多様な幾何学的模様が何も無い空間に瞬く間に描かれていって、その中に溜め込まれたエネルギーが解放される時を今か今かと待ってるみたいで。
だけれども。

「それじゃ――」
「――行きますか」

 僕とスバル、どちらからともなく一歩前に踏み出した。
途端、辺りが魔術の嵐が吹き荒れた。




だから、だからまた俺は誰かのを奪い取るしかなかった。それが、孤独から逃れる唯一の手段だったから。
」 ユキヒロはもう……正気を失ってしまってる。だっていうのに、 また世界が裏切るんだ。せっかく満たされたのに、また何もかもが色あせて、寂しくて狂いそうな毎日が始まるんだよ。
理解るか? 俺の孤独が理解できるか? 世界から嫌われる絶望が、お前らに理解できるか? 
だから、だからまた俺は誰かのを奪い取るしかなかった。それが、孤独から逃れる唯一の手段だったから。
 でも、しばらく経って、誰かが俺に話しかけてきたんだ。そいつは常に俺の後ろに居て、恨みがましい眼で俺を見てる。朝でも昼でも、寝てる時でも。いつだって離れてはくれない。
そんな時に、奴らは声を掛けてきた」
「奴ら?」
「詳細は知らない。ただそいつらは俺にこう言ったんだ。『ドッペルゲンガーを集めている。もしこれからも集め続けてくれるなら、君が持て余しているドッペルゲンガーを一部引き取ろう』ってな」 タマキとトパーズの戦い。 リンシンだけを逃して、ノバルクス組に連絡を取るよう伝える。 トパーズとペリドットと呼ばれていたタマキの昔語り。 二人はともに孤児を集めていた施設で魔術師、暗殺者、諜報員を養成する施設にいた。 トパーズは序列七位、タマキは序列十三位。 同時刻。 ヒカリたちはユキヒロと対峙していた。 「何のことだ?」 「もういいんだ、ユキヒロ」 ヒカリはユキヒロの最近の行動を調べた事を告白。 バイトをずっと休んでいたこと。 犯人が獏だという噂の出処。 僕らと居ない時にだけ、事件が起きていること。 腕の傷。 「今日はずっとユキヒロの後をつけてたんだ」 「なんだ、ならもうとっくにばれてたんだな」 「どうしてなんだ……どうしてこんなことを」 「寂しかったから、だろうな」 ユキヒロは告白。 魔術を使うすべを失って感じた孤独。 元に戻る術を探しまわった日々。 そしてある日偶然手に入れてしまった、人のドッペルゲンガーを奪う術。 それにより孤独が薄まったという事実。 そして、その事を知った国の組織からの誘い。 「同時に、もっと乾いていくんだ」 ドッペルゲンガーを奪って自分のモノにすると、奪ったドッペルゲンガーの特性をも手に入れられる。 魔術の技術は格段に上昇。組織に奪ったドッペルゲンガーを明け渡すため、 元のドッペルゲンガーの特性は失うが、感覚として魔術を扱いはうまくなる。 ドッペルゲンガーを手に入れる時に感じる快感。それは麻薬のよう。 ドッペルゲンガーを渡すときの猛烈な孤独感。 以来、ユキヒロは快感と孤独を癒やすために人を襲うようになる。 (奪ったドッペルゲンガーの中に快楽主義、暴力主義的な特性が混じっており、それにアテられた) 話しながらユキヒロの様子がおかしくなっていく。 眼が血走り、好戦的な態度に。 正気と狂気の間を意識が行ったり来たり。 「もっと食わせてくれ……!」 そして暴走。 所有していたドッペルゲンガーが一気に溢れ、辺りの魔素が異常励起。 戦闘開始。 タマキパート。 タマキは一方的にトパーズにやられていた。 すでにボロボロで、なぶるようにトパーズは遊んでいた。 「弱っちいなぁ、ペリドット」 警備員の魔術師たちから逃げながら、リンシンは出口を探す。 急がないと両親だけでなくタマキも危ないと焦るが、追われながらなので出口を中々探せない。 途中、銃撃で脚を負傷。それでも何とか逃げるが、目の前に女性が現れ、挟まれて絶体絶命。 とおもいきや、 「しゃがめ」 指示に従ってしゃがんだリンシンの上を色々な建材が飛んでいき、追ってきた警備員をなぎ倒していく。 「無事か?」 リンシンを保護するミサト。 タマキとトパーズの戦いその二。 苦戦しつつも何とかトパーズを倒す。 そこでミサトとリンシンと合流。意識を失う直前、「後は任せとけ」とミサトが全てを終わらせる。 ヒカリがスバルに連絡。協力を求める。 →タマキが魔技総研に行く。(ミサトに協力を要請) ユキヒロ:ヒカリ、スバル 魔技総研:タマキ、リンシン、ミサト ノバルクス:コウジ、サユリ
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